NOSAI県北|長崎県北部農業共済組合

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ビタミンAコントロール肥育   大村東彼地区家畜診療所 獣医師 柴原聖一

去る第11回全国和牛能力共進会宮城大会においては、長崎県勢が交雑脂肪の形状賞なる特別賞に輝くなど盛大に催される中、幕が閉じられました。
今さらながら改めて言うことでもありませんが、黒毛和牛肥育におけるビタミンAコントロールは今後も更に必要不可欠であるかのように思われます。
ビタミンAを肥育中期(生後14~23・24ヶ月齢)に飼料添加物として3000~5000IU(日量)に制限することによりBMS№が1~4上昇するという結果が出されています。要するに、全くゼロの状態で長期間肥育するのは大変危険であるため、その程度が望ましいということです。仮に血中ビタミンA濃度が80IU/dlの牛に対してビタミンAを全く含まない飼料を給与した場合、約3ヵ月後には血中ビタミンA濃度がほぼ危険域(30IU/dl前後)に達すると言われていますので、折をみて関係機関に血中ビタミンA濃度の測定を依頼するのもよいかと思われます。
ビタミンAのコントロール給与により、オレイン酸などの「牛肉のおいしさ」を感じさせる不飽和脂肪酸の組成などが影響され、高い官能評価を受けることになる一方、ビタミンA欠乏症によるストレス等による採食量の低下及び視覚障害、尿石症、起立不能などの臨床症状の発生は今後も避けて通る事はできません。ビタミンA欠乏症候群とも言うべき諸症状の早期発見、早期対処のために生産農家及び我々獣医師の裁量が問われるところだと考えます。
なお、今回の宮城大会における生産農家及び関係機関の方々の御努力、御尽力に対して心より敬意を表したいと思います。