NOSAI県北|長崎県北部農業共済組合

お知らせ

技術情報

腸間膜脂肪壊死(えし)症について 大村東彼地区家畜診療所 獣医師 児嶋 秀典

牛を飼育している農家さんはこの病気の名前を一度は聞いたことがあると思います。

脂肪壊死症は、主に牛に発症し、腹腔内の脂肪組織が変性して硬くなる疾病です。脂肪壊死症になると、慢性の食欲不振、下痢、便秘および腸閉塞などさまざまな臨床症状を引き起こします。重症例では消化管の通過障害をおこし死亡する場合もあります。繁殖母牛では産道を圧迫し難産の原因にもなります。

大村東彼地区家畜診療所管内でも平成26年からの6年間で82頭の牛がこの病気にかかりそのほとんどが廃用となりました。遺伝的素因や運動不足、濃厚飼料の過給による肥満がこの疾病の誘因とされていますが、発症の原因についてはいまだ不明であり、有効な治療薬も少なく治療効果はあまり期待できません。

本症は直腸検査で容易に診断できます。排便障害、疝痛(せんつう)症状などが見られた時には早めに獣医師に連絡して診察を受けてください。

 

※疝痛…内臓疾患に伴って発作的に起こる激しい腹痛。