NOSAI長崎|長崎県農業共済組合連合会

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ノーサイ救命救急24時

難産を色々経験していると、出生子牛が呼吸をしてくれない事態にも遭遇する。

明らかに引き出す途中までは動いていたのに、呼吸をせず意識がない。

 

焦る・・・。

 

チューブなどで気道の粘液を吸い出し、子牛の鼻をくわえるようにして息を吹き込み、必死で心臓マッサージを行う。

 

でも、正直、ピクリとも動かない子牛は助からない場合もある。

 

ある時は、新生子の呼吸が苦しそうだと電話があり、緊急で駆け付け処置したものの、間もなく呼吸停止してしまった事例もあった。

 

もっと適切に酸素吸入をやれば助けられたかもしれない。

もしかして、諦めずに人工呼吸を続けたら救える症例があるのかもしれない。

 

 

ようやくだが、当診療所では酸素吸入の設備が整った。

(※当面は、唐比の家畜診療・研修センターでの対応になります。)

 

具体的に救命の場合の酸素吸入をどのように行うのか整理してみる。

 

バックバルブマスクを付ければ、自発呼吸がなくてもバックを押して強制的に酸素を送り込むことができる。

(自発呼吸があればバックが勝手に膨らんだり縮んだりする)

”バックバルブマスク”と書くと酸素マスクがない組み合わせでは紛らわしいので、あえて、ここは”蘇生バック”と表記する。

 

①動物用酸素マスク+蘇生バック+リザーバーバック(酸素ボンベ減圧器の定流量アウトレットに接続)

↑比較的高濃度の酸素を供給できる。

 

 

②気管内チューブ+蘇生バック+リザーバーバック(酸素ボンベ減圧器の定流量アウトレットに接続)

↑意識がなく気管挿管が可能であればコチラが確実。

 

 

③動物用酸素マスク+蘇生バック+デマンドバルブ(酸素ボンベ減圧器の機器作動用アウトレット に接続)

↑この方法はリザーバーバックの代わりにデマンドバルブを装着したもの。

無駄なく100%酸素を供給できる。

自発呼吸の場合は、リザーバーよりほんのわずかだが吸気時に負荷がかかると思う。

子牛がぐったりしている状況で、気管挿管をしない場合や気管挿管までの初期対応はコレがベストかな。

ただし、この接続は蘇生バックやデマンドバルブの正規の使い方ではない。

 

 

④気管内チューブ+蘇生バック+デマンドバルブ(酸素ボンベ減圧器の機器作動用アウトレット に接続)

↑気管挿管が可能であればコレがシンプルかつ効率的。

 

 

もちろん、自発呼吸があれば蘇生バックはなくても良い。

以下↓

 

⑤鼻カニューレ(酸素ボンベ減圧器の定流量アウトレット に接続)

↑低流量システムならば定流量アウトレットにつないたチューブを鼻カニューレに接続して子牛の鼻に挿入する。写真は片方だけど、子牛が暴れないなら分岐させて両方の鼻孔に入れた方が鼻の不快感はより少ないと思う。長時間吸わせる場合はこのスタイルが現実的。

 

 

⑥動物用酸素マスク+デマンドバルブ(酸素ボンベ減圧器の機器作動用アウトレット に接続)

↑100%酸素が必要なら酸素マスクにデマンドバルブをつなげばいい。

③から蘇生バックを省いた形。と、いうか、これが本来のデマンドバルブの使い方である。

自発呼吸に同調して吸った時だけ100%酸素が流入し、呼気はデマンドバルブの排気弁から排出される。急な呼吸停止には、フラッシュボタンを押して酸素を送り込み強制的に肺を膨らませることもできる。

子牛が暴れたりして酸素マスクがフィットしないとデマンドバルブは作動しないから、実際は子牛に付きっきりとなる。

 

 

⑦気管内チューブ+デマンドバルブ(酸素ボンベ減圧器の機器作動用アウトレット に接続)

↑気管挿管が可能であれば気管内チューブとデマンドバルブを繋いでもよい。

④から蘇生バックを省いた格好になるが、これって救命救急というより、麻酔時の酸素吸入スタイルの延長かな。

 

 

出番を待ち構えているけど、未だ出動要請がほとんどない。

いや、無い方がいいね。

 

 

組合員の皆さん

ノーサイ救命救急24時

1頭でも多く救えるよう頑張ります。

(できれば、せめて20時くらいでお願い・・冷汗”~)

 

 

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