NOSAI長崎|長崎県農業共済組合連合会

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休日当番 2

しばらく期間が開いてしまったが、休日当番 の続きを引き継いで書かせてもらいます。

 

 

 

自分が休日のときは普段往診している農家さんでの診療も、当番の先生が対応してくれる。そのようなときにやっかいな症例を引き当ててしまうことも少なくない。

 

とある月曜日、休日当番に診療してくれた先輩獣医師から引き継いだ症例の再診を行った。

体温39℃、拍水音(+)、白色粘液少量のみ排出、拡張した腸ループを蝕知する。前日の便性状が黒色便であり、出血性腸症候群(HBS)を疑い、試験的開腹を実施した。何かあった場合を考慮し先輩獣医師にも応援をお願いしてから、開腹を始めた。

 

腹腔内に手を入れ探査すると、予想通りに腸管内に血餅が充満している部位を蝕知した。創外に引き出し、用手にて血餅の破砕を試みる。ある程度破砕したが腸管にテンションがかかっているようでうまく引っ張ってくることができない。

先輩獣医師に交代をお願いすると、その奥から固く絞扼している腸管を引っ張ってきた。

 

 

自分が破砕していた部位とは異なる位置で血餅が充満している部位と捻転部位が確認された。捻転を解除すると、腸管内のガスの移動や腸管が腐敗している部位を認め、腐敗臭を放っていた。腹腔内への内容物の漏出はなさそうだった。

 

 

腸管吻合の選択肢もあるが、牛の年齢や妊娠していないこと、乳量回復が困難であると考えられることなどの生産性を考慮し、予後不良と判断した。休薬期間を考慮して抗生剤やカルシウム製剤などは投与せず、通過障害があるため休薬期間の設定がないカリウム製剤を添加した輸液のみ数日実施し、廃用予定とした。

 

あれだけ腸管がやられていたにも関わらず、3日間は意外と元気にすごし、無事出荷されていった。農家さんも自分も「なんとかなるもんですね。」と驚きつつ、喜んだが、牛の強さを感じた症例でもあった。

 

 

 

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