NOSAI長崎|長崎県農業共済組合連合会

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臍帯炎

↑臍部、自潰した膿瘍(しぼむ前はソフトボール大くらいか)。右側が頭側 100kg弱の雌。

 

早朝の中途半端なツルツル路面でヒヤヒヤしながら、通勤する日もありましたが、

少し和らいできたような気がします。

今年はタイヤチェーンの出番はないのかな。

 

 

臍帯炎の症例です。

今回は鎮静し一部毛ぞりをして、超音波検査をしました。

 

数日前に急に診せられ、時間もなく剃毛せずに少しだけ超音波をあてましたが、はっきり見えません。

フワフワした波動感があって、その時は指4本くらいのくぼみを感じたので、

巨大な臍ヘルニアと一部膿瘍かと思い、数日後にしっかりと検査する約束をしました。

 

臍ヘルニア手術だと、吸収糸で縫うか、非吸収糸で縫うか。

縫合法はfar-near-near-far suture か 定番のvest-over-pants sutureか、

いやいや、先日の外科学の講習会では、単結紮で、しかもシルクでもOKって言われてたな・・

などと思いを巡らし、過去の経験と反省もフラッシュバックしてきて、

あの部分をこう変えてやってみようとか、寝る前も考えてたわけです。

 

今日こそ、きっちり診断して手術方針を決めるぞ!

と意気込んで超音波検査に向かおうとした、

その時。

 

プルプル

『はい、○○です』(私)

 

「先生、先日のあの牛、なんだか、へそのところから白いものが出てるみたい。」

 

『えっ!マジ?・・・・ってことは、ひどい臍帯炎だったのかぁ。で、膿瘍が爆発。

ちょっと手術は厄介だね。とりあえず、予定どおり検査にはいくから。

 

行ってみたところ、8mmくらい大きく拡張したへその穴から液状の膿が排出されていました。

剃毛しなかったとはいえ、じっくり診察すれば(じっくりの時間がなかったんですけど)

前回で診断できただろうと反省しつつ。

 

超音波検査で調べてみると、膿瘍が頭側(肝臓側)にも伸びている様子です。

以前も経験しましたが、肝臓まで膿瘍が続いている場合は、きれいに切除することが困難です。

排膿され触診しやすくなって分かりましたが、臍部周辺にはガッチリと結合織も増生しています。

しかし、排膿したのでいくらかは腫れがひくかもしれません。

 

少し成長は悪いですが、牛も元気はあるので現時点で開腹手術は見送りとしました。

抗生物質の全身投与を続けながら、経過を見てみます。

手術の可能性は残っていますが、なかなか手強そうです。

 

 

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